2011年11月4日金曜日

原発性胆汁性肝硬変

 本部より情報が入りました。
原発性胆汁性肝硬変の記事です。
膠原病は一つの病気をさして膠原病というのではなくその中には希少膠原病
患者数の少ないものもあります。
また、類似疾患を含めるとものすごい数の患者さんがおられます。
希少膠原病の患者さんへ情報をどう届けるかこれらも患者会の課題です。


原発性胆汁性肝硬変 難病カルテ 患者たちのいま/18

毎日新聞社  1030() 配信

 

 ◇理解されず、孤立感 気軽に話せる患者会を

 
15年前、台所で洗い物をしていた生方イツ子さん(70)=小城市牛津町=の手元から突然、食器が滑り落ちた。
力が入らない。「更年期障害かな」と思い、通院したり漢方薬を飲んだりしたが、
改善しない。次第に、支えがないと歩けなくなった。

 
 1年後、大学病院に検査入院。「膠原(こうげん)病」と診断された。
「このままでは動けんようになるかもね」。看護師はそう告げた。
それでも薬が効いたのか、症状は次第に改善し、退院することができた。

 その後は症状も安定していたが、7年前、肝臓機能の異常を指摘され、入院。
胃カメラを飲み、他の検査をし、「原発性胆汁性肝硬変」と告知された。

 体の至る所がかゆくなった。倦怠(けんたい)感が続き、
暑い日は炊事などの家事をこなすと、疲れで動けなくなる。
腕を肩より上げるのがつらく、洗濯物を干せない。
座っているだけで、上から重たい物を乗せられているような疲労感を味わった。


肝機能の低下が影響しているのか腹水がたまりやすくなり、
食事をしていなくても体重が増える。腎臓の症状も悪化し始めた。

 
 診断名がついた今も、自分が何の病気なのか、どういう状態なのか、十分理解できない。
腎臓、肝臓、肌のかゆみ、関節炎……。多くの診療科に通っているが、この先どうなるのか、
きちんと説明してくれる医
師はいない。「どういうふうに悪くなるのか分からない」
という不安を抱え、暮らしている。

 
 朝、起きづらいことも、疲れやすいことも、外からは分からない。
体調を理解してくれる人は少ない。

 
 孤立感を強める中で支えになったのは、同じ病気に苦しむ仲間だった。

 
 2年前、県難病相談・支援センターの紹介をきっかけに、2人の患者と出会った。「
体調どう?」と尋ねると、「だるい」「体がかゆいよ」という答え。「やっぱり」。
初めて理解し合えた。気軽に話せる仲間に出会えた。

 県内には約90人の患者がいるという。病気を公にしたがらない人も多いが、
「こっそり隠してあの世に行くのは、あまりに寂しいと思うんです」。

 「誰に言っても、理解してくれない。それが一番つらかった」。
だからこそ、同じ患者が集う場が必要だと考えている。
「仲間がいると知ることで、きっと、救われる。楽しく生きて楽しく過ごせる、
そんな患者会を作りたいのです」【蒔田備憲】

 

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 ◇原発性胆汁性肝硬変(PBC)

 食べ物に含まれている脂肪を消化するために必要な胆汁は、肝臓で作られ、胆管を通って排出されるが、この病気になると、胆管が炎症で破壊される。その影響で肝細胞が壊され、肝硬変に進行する。全身のかゆみや黄胆、進行すると肝性脳症を起こすこともある。医療費助成の対象となる特定疾患に指定。自覚症状のない患者も多く、その人たちを含め全国で5万~6万人と推計される。



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