2018年7月29日日曜日



全国膠原病友の会沖縄県支部20周年
    記念医療講演会報告

とき:平成30年7月22日(日)
時間:午後1:00~
場所:沖縄県市町村自治会館 ホールB
講師:聖路加国際病院リウマチ膠原病センター長
   岡田正人先生
テーマ:テーマ:「膠原病治療への多様な取組み~最新治療から漢方薬併用など~」

← 台風一過の青空で医療講演会を迎えることができました。
前日まで、先生が飛行機に乗れるのか?
講演会取りやめのお知らせをすべきか?悩みました。
しかし開催して本当に良かったです。晴れたのです。



参加者人数 60名



全身性エリテマトーデス、全身性強皮症、血管炎につきまして、免疫の成り立ち~役割を
とてもわかりやすくご説明いただいたあと、それぞれの疾患の特徴、治療方法などをお話くださいました。

自然免疫と獲得免疫の違い
自然免疫とは・・・
敵の種類を選ばずに自分にとっての異物を攻撃したり、異物を食べて処理したり(これを貪食作用という)、敵の情報を獲得免疫細胞に伝えたりする働きを持っている。
獲得免疫とは・・・
生まれた後に病原体などと接触したり、ワクチンの接種をしたりすることで後天的に獲得する高度な防衛機構をいう。
私たち膠原はこの獲得免疫が異常に働き過剰生産し、自分の細胞の核を敵として攻撃し
その死骸が多くなると行く場をなくして、細胞の壁に穴をあけたりと細胞を破壊するのだそうです。
SLEの場合にはB細胞の異常 皮膚筋炎の場合にはT細胞の異常とわかってきたため
その免疫を抑えるお薬を選択して治療をする事が出来るようになったとのお話でした。

これまでは、マルチターゲットと言ってどの免疫が異常をきたしているのかが分からず
すべての免疫を抑えることで、病気を抑え込んでいました。ですから、病気も抑えますが、大切な免疫も同時に抑えますので、さまざまな合併症が現れるのです。

岡田先生は長年 米国・仏国で研修や臨床にあたっておられ、アメリカやヨーロッパの良いところと東洋の良いところを取り入れた治療を聖路加国際病院で行っておられるそうです。SLE治療でアメリカやヨーロッパではもう60年以上も前からSLEの治療薬として使われてきたプラニケルや生物学的製剤のベンリスタ(特定のリンパ球を抑える)の治療効果のお話、それを使った人の予後なども詳しくお話くださいました。





強皮症では、間質性肺炎で最近は良いお薬が出てきていると、肺高血圧にはトラクリア
レイノーがでたらとにかく早くその症状を良くすることが大切で、指先だけを温めるのではなく、温かい飲み物を取って体の中も手先も同時に温めることが大切だとおっしゃっていました。硬くなった皮膚には自己細胞移植なども近近行われるのでは?とのことでした。(セルセプト)

血管炎には大きな血管、中くらいの血管、小さな血管それぞれの場所で炎症がおこる事で大動脈炎高安病や結節性多発動脈炎,ANCA関連血管炎、にわかれていて、その治療には生物学的製剤が使用されるとのことでした。

聖路加には漢方の専門医もいらしていて、病気の治療というよりその症状を緩和するお薬の処方をされているということ
胃の不調には・・半夏こう心湯
足がつる・・・・芍薬甘草湯 ツムラ68
むくみ・・・・・ツムラ17
消化器…・・ツムラ100
レイノー・・・ツムラ38
シェーグレン・・麦門冬湯 ツムラ29
風邪・・・・・麻黄・・・・・ツムラ127

最後にお薬ももちろんとても大切ですが、患者さんご本人のセルフマネージメントもしっかりやってもらうこと。キチンと食べてきちんと眠る。その中でも絶対に勧められないのがたばこです。と医療、ドクターだけが治療をするのではなく、患者も一緒になって納得のいく治療を進めていくことの大切さを教えていただきました。

実は今回の医療講演会では資料、録音もNGとなっておりました。
リスクマネージメントの徹底されておられ、学会でもそのようになっているそうです。
ですから、講演録が作成できません。もちろんビデオ撮影もNGでしたので、当日来ることができなかった皆様へは報告だけがお伝えできる方法です。

大変なスケジュールの中、お越しくださいました岡田先生には役員一同感動(涙)
大変感謝しております。ありがとうございました。


※たられば・・
今、膠原病になったばかりなら、きっとこんなにたくさんのステロイドを飲まずにすんだのに。骨折もしなかったのに。。
白内障の手術もしなくて済んだのに・・
もっと、もっと・・・・・
そんなこともちらっと頭をよぎった事は確かです。しかし、まったく意味のないこと。「今、ここ。」と強く自分を戒めました。欲張りはダメですね。





20周年を迎えて

ごあいさつ

全国膠原病友の会沖縄県支部は今年度支部設立20周年を迎えます。
この日を迎えることができましたのは、これまでご支援・ご協力くださいました関係各者、多くの皆さまのお力であると心より感謝申し上げます。
また、この記念講演を大変お忙しい中、ご快諾くださいました、岡田先生、共催のりゅうぎんユイマール助成会さまへも 深く感謝いたします。

当会の前身は「那覇市高良にございます、医療法人 全十会 おおうらクリニック 院長 大浦孝先生のお声掛けで、まだ膠原病という名前も聞きなれない頃、患者同士の集まれる場所としてご尽力くださった経緯がございます。それから、本部加盟団体として患者自身が運営する自助会 沖縄県支部となりました。

今では膠原病は「早期発見、早期治療によって日常生活を普通の方と同じくらいに送れるようになりました。」
情報社会において、膠原病の情報も沢山入るようになり患者さんの生活は数十年前よりも格段に良くなっていることとも思います。
しかしながら、膠原病はその疾病数も症状も多彩であり、インターネットなどで得られる情報のすべてがご自身に当てはまるものではありません。

20周年を迎え、初心に戻り「患者会とは何か。」を改めて問うております。
私たち患者会の存在とは
   正しい情報を良いタイミングで患者さんまたはご家族、関係者のみなさまへお伝えする。
   法律、制度の問題を詳しくお伝えする。(皆様ご存じのとおり、平成27年1月に難病法が施行され今年度は経過措置が終了いたしました。)
   少し前を歩いている病気の先輩を見て、お話を聞いて 「何だか大丈夫そうだ。」「一人ではないんだ。」と思ってもらえること。
   これは私たち 膠原病友の会沖縄県支部が一番大切に思っていることです。
病を抱えていても、膠原病の患者さんご家族がそれぞれのお立場、生活の中で、自分らしく輝ける事、幸せになられることを応援する会でありたい。ということです。


その為に私たち患者も学び、「患者力」をつけ賢い患者になる事が大切に思います。これまで患者会の存在を知らなかったという方、何をしているのか?わからなかったという方々、どうぞ患者会に入っていただき、一緒に学んでいただきたいと思っております。


いつの日か、膠原病が完治または完全寛解し患者会が同窓会となることも同時に期待しております。どうぞ皆様これまで同様、膠原病友の会沖縄県支部をご支援・ご指導くださいますよう心よりお願い申し上げます。

平成30722
全国膠原病友の会沖縄県支部

支部長 阿波連のり子


2018年7月22日日曜日

本日の医療講演会

全国膠原病友の会沖縄県支部20周年記念医療講演会

長らく更新せず大変申し訳ございません。
本日の医療講演会は予定通り開催いたします。
一時は台風でどうなるか?とハラハラいたしました。




●20周年記念医療講演会

とき:7月22日(日)
時間:午後1時~午後3時 (開場 12:30~)
場所:沖縄県市町村自治会館 2階 ホールB
定員:100名
参加費:無料

講師:聖路加国際病院リウマチ膠原病センター長
   岡田正人先生
   http://hospital.luke.ac.jp/guide/06_allergy/index.html

テーマ:「膠原病治療への多様な取組み~最新治療から漢方薬併用など~」
晴れましたーーーーーー♪


多くの皆さまのご参加お待ちしております♪
駐車場に限りがございます。公共交通機関のご利用をよろしくお願いいたします。